太陽光を利用して野菜、果物、ハーブなどを乾燥させるソーラーフードドライヤーを自作しました。311以後さまざまな疑問を感じ、できることをしようと電力会社を変更したら思いのほか心地良く感じたり、理想的な未来を思い描きながらできることをしていこうということでソーラーフードドライヤーの制作を思い立ちました。
目次
ソーラーフードドライヤーの特徴
- 食料を短時間で乾燥でき食料の長期保存が可能に
- 太陽の熱や沢山採れた野菜やハーブなど「身の周りに既にあるもの」を生かせる
- 電気が不要でオフグリッド/脱システムの心地良さを感じられる
どんなものを乾燥?
様々なものを乾燥できます。実際に試したものをいくつかご紹介します。
キウイ
ダイコンは1日で切干大根になります
ウコンは乾燥して粉にしました。
たけのこ。調理してシナチクのように使います。
その他にもラベンダー、ネトルなどのハーブや花などをあまり変色させずに乾燥できたりと使い方は様々。色々なものを試してみると楽しいでしょう。
ソーラーフードドライヤーを作ってみた
ふたつのサイズを作りましたが、屋外への出し入れを考えると小型のものの方が使いやすく、肘を曲げて胸の高さに持ち上げて運べる重さです。以後ご紹介するのは小型のものの作り方や材料になります。
基本構造
非電化工房さんのウェブサイト等で作り方を調べてみたところ、
- 内部の温度を上げるために内部の底面/背面に断熱材(発泡スチロール)を敷きその上に平らな黒いトタン板を貼る
- 湿気が抜けるよう吸気と排気の穴をあける
- 透明の窓の素材は強度と耐候性がある透明のポリカーボネート製が良さそう
などの特徴を知ることができました。作成にあたってはこれらの特徴に加えて前面に大きな扉を設けて中身を出し入れしやすくしたいと考えました。
完成図
ソーラーフードドライヤーの完成図と木取り図です。450mm × 300mmのバーベキュー網を2枚格納できます。
木取り図
作り方
まず側面のパネルから作っていきます。
こちらが内側です(一部廃材を利用したため木取り図と異なっています)。
同じものをひっくり返した外側です。
この側面パネルが一番入り組んだ部分になりますので作り方を図解します。
①カットした12mm厚の杉板を3枚並べる。
②各部品の取り付け
特に水色の角材はどの面が杉板に接するのかをよく確認しながら取り付けます。
③2つの部品が邪魔なので一旦外して杉板の反対側にピンク色の部品を取り付けます(図は杉板が透けている格好)。ネジは杉板の側(図の表面側)から打ちます。このピンクの部品は蝶番を取り付ける窓枠、持ち手、3枚の板をひとつに繋げる役割を担います。
吸気口の穴空けはインパクトドライバーに22mmのホールソーを取り付けて行いました。
左右対称になるようにもう片方の側面も同じように作成し、前面、背面、杉板を取り付けたら、スムーズに網を載せたり下ろしたりできるかどうか確認します。
ひっくり返して底を取り付けます。
このタイミングで防腐剤を塗っても良いと思います。
背面の板の上部に排気の穴を開けます。穴の中心点は背面板の上辺から30mm下がったあたり。 次の写真では穴がひとつしか見えませんが、向かって左側にも開けます。木屑が溜まってしまうので穴を開けるのは底を付ける前の方がよかったかもしれません。
断熱材の発泡スチロールは定規を当てながらカッターナイフを使って必要なサイズにカットし骨組の間にはめ込みます。
底面にも断熱材を嵌め込みます
トタンを必要なサイズに切る際はケガキ針で跡を付けて、
金切りバサミでカット。
あらかじめトタンに穴を開け、
ネジで取り付けます。
写真がありませんが底にも同様にトタン取り付け、その後天井を取り付けます。
完成図を参考にして窓枠を作り蝶番を取り付けます。蝶番の厚みの分だけ本体側と扉側を削ります。SPF材は柔らかいのでカッターで削ることができました。
蝶番と反対側には同じ要領でマグネットキャッチを取り付けます。
写真を省略しましたが、0.7mmの厚みのポリカシートは保護シートの上から油性マジックで線を引き金切りバサミでカットし切断面を紙やすりで整えました。
ネジ留めの際はポリカシートにはドリルで穴を開け、扉側にはキリで下穴を開けてネジ止めしました。
完成です!
材料
- 杉板(12mm厚 86mm × 1,820mm)
コーナンで5枚束798円のものを購入。そのうち1枚と少しを使用。余るので無駄を出したくない方はカットサービス等を利用して↓の180mm幅の板をカットした方が無駄がないと思います(私は余りをいつか使うため氣にせず)。 - 杉板(12mm厚 180mm × 1,820mm)
コーナンで5枚束1,180円のものを購入。そのうち2枚を使用。 - 赤松KD三面クリア材(19mm × 28mm × 985mm) 228円・・・3本
- SPF 1×2材(ワンバイツー材)(19mm × 38mm × 914mm)198円・・・3本
- SPF 1×1材(ワンバイワン材)(19mm × 19mm × 914mm)98円・・・4本
- 発泡スチロール(2cm厚)
例)コーナンで 910mm ×1820mmくらいのものを558円で購入。かなり余るのでちょうど良いサイズのものをお求めください。 - トタン平板
温度を上げるため黒または色が濃いもの
例)光 カラートタン板 ブラウン HT270-2 999円(モノタロウ)
https://www.monotaro.com/g/03398043/ - 蝶番
折りたたんだ状態の短い辺が17mm程度のもの
例)ハイロジック P-614 369円(モノタロウ)
https://www.monotaro.com/p/5887/0515/
- 透明のポリカーボネート板
例)IRIS ポリカシート HIPC-607(0.7mm厚 910mm × 1,820mm)
コーナン大船店(大型店舗)で実際に2,280円で購入。同じコーナンでも小さめの店舗にはありませんでした。しかし大きいのでかなり余ります。 - 木材用のビス・・・長さが35mmと25mmのもの
例)
若井産業 木割れ防止ビスKW-35V M3.8、長さ35mm 589円 (モノタロウ)
https://www.monotaro.com/p/1985/2858/
若井産業 木割れ防止ビスKW-25V M3.8、長さ25mm 589円(モノタロウ)
https://www.monotaro.com/p/1985/2833/
- ポリカボネートの板を固定するネジ以前100円ショップのセリアで購入した10mmくらいのものを4本~6本・・・100円
- マグネットキャッチ
例)【6ペア入り】Atpwonz マグネットキャッチ 超薄型 1,260円(Amazon)・・・1つだけ使用
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B082X5FZSJ/ - 450mm × 300mmのバーベキュー網
例)グレービーバーベキューアミ 6号 M-6596(450 × 300mm) 525円(Amazon)・・・2枚
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000GADFQ0/ - 水性木材保護塗料 とうめい 0.7L 1,280円
はじめまして。ソーラーフードクッカーに興味があり、探していたらこちらにたどり着きました。記事の内容もさることながら、にじみ出る生き方も大変興味深く、また勝手にシンパシーを感じております。
早速、作り方を参考にしながら、廃材でソーラーフードクッカーを作っています。差し支えなければ、自分のブログでこちらのブログを紹介させていただいてもよいでしょうか?
共感いただきありがとうございます。
ご紹介いただけたら嬉しいです!
誰にでも降り注ぐ太陽光に豊かさを感じます。また刻々と変わる太陽の方向を感じるくらいの心の余裕が欲しいものだなぁ、と常々思っています。
ソーラーフードドライヤーの記事を興味深く読ませていただきました。
最近、ペチカ(薪ストーブをレンガで作ったような暖房器具)の上でドライフードを作り始め、その味の良さにドライフードに興味を持ち始めました。大根、ニンジン、白菜からシイタケ、リンゴ、ミカンと色々チャレンジしております。
暖房を使わない時期に太陽光でドライフードを作りたいとネット上を検索したところ、このHPに辿り着きました。非常に参考になりました。廃材を利用して作ってみたいと思っています。
二つほど質問があります。
1)ポリカーボネート板の部分の角度はどのように決めたのでしょうか?何か特別な理由があればお教え下さい。後ろ側にも太陽光が当たるようになど。
2)排気と吸気の穴がありますが、その大きさと数はどのような理由で決めたのでしょうか?
以上、お聞かせいただければ参考にしたいと思います。
宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます!
色々なものを乾燥させていらっしゃるのですね。ソーラーですもストーブ程早く乾燥しないと思いますが、よろしければお試しください。
1の角度は45度ですが、光を取り込むために斜めにしたかったというだけで細かな計算はしていません。また後ろ側にも太陽を当てるためには平らな屋根にせず斜めの窓を上に伸ばして尖らせた方が沢山の光が差し込みますが、サイズが大きくなるので平らにしました。また平らな方が尖っているよりも可愛らしいと思ったからでもあります。
2の穴のサイズと数ですが、サイズは確か非電化工房さんの設計図を参考にしたように思います。穴の数は、まずは少な目にしておき、中に湿気が溜まるなら増やそうと思っていましたが、特に溜まることもないので今の状態になっています。
お返事ありがとうございます。太陽の方向を感じる余裕…その通りですね。そんな生活に憧れます。
まだ塗装が乾いておらず、完成は今週中になりそうです。
蓋の上下に一ミリ程度の隙間ができてしまい、ちゃんと機能するか心配ですが、ひとまず早く組み立てて試運転してみたいです!またご報告します!
完成が楽しみですね!
1mmくらいの隙間なら特に問題ないと思います。私が最初に作ったものも結構大きな隙間が空いていましたが、そこまで影響はなかったと思います。そもそも穴の数は適当ですので…。
それから、温めると恐らくポリカシートが少し伸びて木との間に隙間ができますが、それもあまり気にしなくて大丈夫です(冷えると元に戻ります)。より厚いシートにすれば防げそうですが高価です。
晴れたので、ソーラーフードドライヤーをようやく使うことができました!
今日の気温は20℃。
ベランダに1~2時間放置したところ、箱の中はおよそ30℃になりました。
隙間から熱が逃げていくのか、はたまた季節柄こんなものなのか、
比較するものがないのでわからないのですが…。
早速ブログにも記事を書き、こちらのブログを紹介させていただきました。
いろいろとありがとうございました!
ロザンヌさん
ご報告ありがとうございます!
ブログにも掲載いただいたとのことで嬉しいですー(^^
穴が多いと熱が逃げ、
穴が少なくても湿気が抜けないので
なかなか難しいですよね・・・。
カビが生えないように朝から干したり、
水分の多いものは数日晴れが続く日に
干すようにしています。
温度はあくまで私の場合ですが、
冬でも天気が良い日は
50℃くらいまで上がることもあります。
反射板を箱の外側に立てるなど
効率をあげる方法もあるようですが、
試していないので私も比較ができません(笑)
ご無沙汰しております。
今日、ソーラーフードドライヤーを稼働させたら
箱の中の温度が最大48℃まで上昇しました!
小林様が50℃くらいまで上がることも、と仰っていましたが、
少しだけ近付けたのかも、と嬉しくなっております。
という、ご報告でした!
返信遅くなりました。
それはそれは温度上がりましたね!
春になって気温も上がっていますし
よく乾きそうですね~
(^^)
自作フードドライヤーを探していてたまたま辿り着きました。
楽しくて他の記事も読ませていただいたところ、自分の趣味とあまりに酷似していてうれしくなってしまいました。
パーマカルチャーに憧れていること、私はマンション住まいなのでミニ・キエーロを自作しており、そのベランダで「食べるもの」だけ育てていること、太陽熱で自作の温水器でお風呂に入っていることなど、ああもう!同じキーワード過ぎて興奮してしまいました!
私は大阪に住んでいるものですが、いつかお話できたら(宅飲みなど)とてもうれしいです。
よろしければ連絡ください。よろしければ私のブログもご覧ください、少し伝わるかと。。
よしまるさん
コメントありがとうございます。
ミニ・キエーロ、ベランダ菜園など趣味が似ていて嬉しいです!
太陽熱温水器が欲しいけど設置場所、金額、工事のことなどを考えるのが大変だなぁと思っているところでした。自作温水器、気になります。
ブログを拝見させていただきます(^^
ソーラードライヤー便利ですよね!
ソーラーオーブンまで作られるなら
サンオーブン作られたら、いかがでしょうか?お料理も出来ますよ!
一石二鳥です!
カシダさん
コメントありがとうございます(^^
「かるぴか」というソーラークッカーを購入しましたが、
プリンやおでんがおいしく作れます。
サンオーブンがあったらパンを焼いてみたいですねぇ。
さっそく、ソーラードラテヤーを作りました。
3日ほど、かかりましたが、たのしくて、たのしくて、完成した時の喜びを満喫しています。
10/23日に完成したので、さっそく明日は試運転をしたいと思います。
それにしても、三角形の部分の収まりが、難しくて、何回も手戻り作業になりましたが、最終的には
納得いく出来上がりになりました。
さっそく、知り合いにラインで報告をして喜びを分かち合いました。
ありがとうございました。
内田紀之さま
コメント承認が遅くなり失礼いたしました。
ソーラーフードドライヤー完成の嬉しいご報告ありがとうございます。
私も毎回部品を取り付ける&外すを繰り返しながら作っています(笑)
太陽の恵みを感じつつ美味しい&楽しい体験いたしましょう!
ありがとうございまた。
気取り図があることで 私でも作ることが出来ました
アミさま
それはそれは良かったです(^^
コメントいただきありがとうございます。