保温・虫除け両対応の育苗棚を作る

種から育てた野菜がすくすく育つと嬉しいものです。

しかし夏の終わりから秋にかけての苗作りは
毎日苗を観察をしても知らぬ間に虫に食われて
大きな被害に見舞われることもありました。

特にアブラナ科のブロッコリーや白菜などは
シンクイムシが苗の中央の成長点に隠れるように住み着き
気づいた時には手遅れということが頻発しました。

一方、冬から春の苗作りは寒さで発芽が遅れたり
発芽しても苗の成長が遅いなどの理由で定植時期が遅れてしまいがちです。

これらの課題を解決したく
防虫と防寒の両方に対応できる育苗棚を
試行錯誤しながら作りました。

育苗棚をつくる際に気をつけたこと

  • 防虫ネットや透明ポリカシートを貼り付けた時に隙間が空きにくい棚枠の構造
  • 保温時に温度が上がり過ぎないよう換気ができる
  • 既製品の育苗ポットのトレイが格納できる
  • 使わない時は家の中に移動できるサイズ

防虫

取り外しできる前面パネルの裏側から網戸用の網を張っています。
左右、背面、天井は0.7mmの厚さのポリカボネート板(ポリカシート)をビス留めしています。全面パネルは網のみなので通気性はあります。

夏仕様

防寒

取り外しできる前面の部分にポリカーボネート板を取り付けます。しかし密閉性が良すぎると冬季であっても日中、温度が上がりすぎてしまうので天井に換気口をつけました。

開閉できる換気口。暖められた空気の排出は上部からが良いようなので、天井に穴をあけました。
換気口を閉じた状態

育苗棚で育てた苗の様子

虫に食われやすい白菜の苗を育てることができました。その他にもブロッコリーやキャベツなど育苗が難しかった秋野菜の育苗が成功したのが一番嬉しかったです。

寒い時期に霜にあてると良くないそうなのでアーティチョークの苗を育苗棚の中に入れ、無事越冬させ定植することができました。

夏野菜の育苗もうまくいきました。3月下旬のキュウリの発芽の様子です。

育苗棚の設計図

木取り図

育苗棚の制作

棚枠と前面パネルを組む

設計図を見ながら育苗棚と取り外し可能な前面パネルを組みます。
・棚枠は3cm×4cmの面取りされた角材
・棚板は1×4(ワンバイフォー)材
・前面パネルは1×2(ワンバイツー)材

棚板は3段。この写真では一番下の棚板は外された状態

棚枠の角の部分は写真のように角材を切り欠きしてビスで留めました。
このようにすることで一方向からビスを打つことで3つの木材を固定できました。
(当初切り欠きせずにビスを2本打ったところ、直角に交わる木材を留めるビスを打つスペースがなく失敗したのでこの方法を思いつきました)
ビスは各角に1本ずつだとグラつきますので2本打ちますが、
そのことを考えると角材の太さは3cm×4cmでちょうど良かったと思います。

写真は端材で練習用に作成したもの。ねじはステンレス製でサイズは4.2mm×65mm(さらに数センチ長い方がより安心かもしれません)。

木材を切り欠く方法ですが、ノコギリでも可能だと思いますが、丸ノコと金槌とノミを使うと精度良くできます。切り欠きの詳しいやり方は カミヤ先生のこちらの動画(7分25秒~) が参考になりますが、テキストに起こすと以下の手順になります。
・丸ノコの歯の深さを切り欠きの深さに合わせる
・切り欠きする部分に丸のこで沢山切り込みを入れる
・切り込みと切り込みの間の残った部分(数ミリの厚さ)を金槌で割り取る
・切り欠きの底の部分をノミで平らに均す
この加工を棚枠のすべての角、計8箇所行います。

金具の取り付け

前面パネルの取り外し方法は苦心しました。
棚枠と前面パネル下部の左右2箇所に写真のような金具をとりつけて引っ掛け、さらに上部を別の金具で留める方式としました。使用した金具は八幡ねじの「吊り下げ金具 タテ」。
ひっかける動作は手間が少ないと思ったのですが、ひっかけるための金具が小さめのため若干手間取るので、これ以外の方法(たとえば上下左右4か所を金具で留めるなど)でも良いかもしれません。

棚枠と前面パネルを密着させたかったので棚枠側をトリマーで2段階の深さに(5.5mm、9mm)彫りこんで金具を取り付け(写真は片側だけですが前面の左右に2箇所取り付け)。
上部はよく見かけるこの金具を取り付け。反対側にも取り付け。

網の取り付け

電動トリマーを使い前面パネルの内側に網戸用の網を装着するための溝を彫りました。
溝の深さ、太さは網戸を留めるゴム紐のサイズに合わせました。
私は自宅にあった細いゴム紐を使おうと試み、3mmの細いトリマービットで溝を彫ったところビットを2本くらい折ってしまいました。太いゴム紐を使い、深さは3mmくらいずつ数回に分けて彫ると良いと思います。
また、大きな材料を長い距離に渡って彫るにもかかわらずコード式のトリマーを使ったため延長コードが活躍しました。

ポリカシートの取り付け

周囲を一周ポリカシートで覆います。夏仕様にする時は前面の透明ポリカを外して別の場所で保管します。取り付けにはステンレスの鍋ねじを使用しました。

換気口を作る

冬仕様で周囲と天井をポリカシートで覆ってしまうと
熱の逃げ場がありませんので上部に換気口を作りました。
「熱い空気は上方へ逃がす」のがセオリーのですので、
換気口は育苗棚の上の方に付けるのが良いと思われます。

天井のポリカシートに穴をあけてに2本の角材を渡し、
天井のポリカシートに穴を開けます。
参考までに穴は33mmのホールソーで9つ空けました。

次に渡した角材と同じ長さの木材でレールを作ります。
私は12mmの厚さの野路板を使用しました。
レールの溝はトリマーを使って2mmくらいの深さで削りました。

天井に取り付けます。

溝が内側で下向き、左右対称に。

スライドする部分。これも透明なポリカシート(厚さ0.7mm)です。簡単なつまみを付けています。

つまみはステンレスの小さな皿ねじで留めています。ポリカシートにあけた下穴は皿取りしてねじの頭が出っ張らないようにしています。

レールにはめ込んで・・・

スライドさせます。閉じた状態。

以上、育苗棚の作り方でした。
育苗棚を作って苗づくりを楽しみましょう!

断熱性向上と結露防止!二重窓を作る

寒い冬の時期の部屋の暖房効率アップと結露を防止したいと考えて二重窓をDIYで制作しました。既存の窓枠サッシの内側にもうひとつの引き戸を追加する形です。

作った結果、暖房を止めた後の暖かさが持続しやすくなった感じがするので暖房効率は向上したようです。 結露については全く無くなったわけではありませんが、既存の外窓の下半分が曇るだけのことが多くなりました。 下の桟に時折大きめの水玉ができることもありますが、 窓全面が大きな水玉だらけになったりレールがびしょ濡れになることはなくなりました。

この記事では、作り方を学ばせてもらった動画の紹介、
材料と道具の紹介、設計図、木材のサイズを簡単に計算できるExcelファイルの配布などを行っていますので参考にしてください。

作った二重窓の特徴

写真のような引き違い戸です。 既存の窓枠の内側に上下にレールが彫られた木枠を設置し引き戸をはめ込んでいます。

木枠はビスや釘で固定せず、上下の木枠を左右の木枠が自作のつっぱりで支える形になっています。 戸の透明部分の窓は断熱性が高いポリカーボネート中空構造板(厚さ4mm)です。

つっぱりです。隙間は木材で埋めました(後述)

上下の枠は1×4材(19mm×89mm)、左右の枠は2×4材(38mm×89mm)を使用しました。 同じサイズの2重窓を作成される場合は窓枠が設置できるかご確認ください。 しかし設置が難しい場合は各部のサイズを小さめに調整することは可能だと思います。

戸の桟は30×40mmの木材を使用しました。
中空ポリカをはめ込むために桟にとりつけた縁は、 部屋側のみ12mmの厚さの杉の野地板から自作したモールディング(装飾)をボンドで取り付け、 外側は角材を釘で固定しました。

窓の桟を止めたビスの頭は自作のダボで埋めました。桟と同じ種類の木材で作成したダボなので目立ちにくくなっています。

材料

上下の窓枠

  • 1×4材 長さ6f(182cm):360円
    2つ。1×4は19mm×89mm。ホームセンターのコーナンにて購入。上下ともにレールの溝を掘ります。

左右の窓枠(=つっぱり)

引違い戸の桟

  • 30mm×40mmの木材 長さ1820mm
    272円。7本。ホームセンターのコーナンにて購入。面取り加工済み。比較的安価なので棚枠の作成などでも使用します。材質はSPFと思われます。 戸の表面に40mmの面が出るように組みます。 30mm×30mmだと桟を直角に組む際にビス2を2本打つのが難しそうなので30mm×40mmがお勧めです。
  • ステン木用ねじ小箱 4.2×65
    1,300円程度。24本使用します。 ホームセンターのコーナンにて購入。

戸の透明部分

  • ハモニカーボ 透明 1820×910×4mm
    2178円。2枚購入。ガラスよりも断熱性が高い2重構造の透明ポリカボネート(中空ポリカ)。厚さは4mmのものを使用しました。 最近は「ツインカーボ」という名称で販売されていますが厚さが4.5mmとなっていようです。 4.5mmでは厚みがありすぎるかもしれませんので設計を調整してください。

中空ポリカを固定する縁

  • 幅180mmm×厚さ12mmの杉板(野路板)長さ1820mm
    5枚セットで2,000円程度で購入。部屋側のみトリマーに段付サジ面ビットを取り付けて削った後、丸ノコを用いて12mm幅に縦挽きしてモールディングを作成。 部屋の外側はモールディング加工せずに12mm幅に縦挽きして角材に。

材料費は全部で1万3,000円弱でした。 ボルト、ナット、ワッシャー、ネジなどは必要な量だけ購入すれば少し節約できそうです。

工具

  • 丸ノコと丸ノコガイド or 手ノコ
    中空ポリカを桟に固定する縁を自作する場合は丸ノコが必須だろうと思います(まっすぐ切る量が多く大変なので)。 10~12mm程度のモールディングや角材が入手できれば手ノコのみでも十分可能だと思います。
  • 巻尺
  • 電動トリマー
    敷居と鴨居のレールの溝を掘る、その溝に合わせて窓の桟を細く削る、つっぱりの隙間を埋める加工で使用。必須道具です。
    実際に使用したトリマーと使い方↓
  • 高儀 EARTH MAN 超硬トリマ・ルータービット ストレートビット10mm TRBP-7
    敷居と鴨居のレールの溝を掘る際とつっぱりのスペーサーを加工する際に使用。 トリマーに付属している6mmのものでも良かったですが、 削る回数を減らせるので10mmのビットを使いました。

作り方を調べる

今回初めて引き違い戸を作ることにしましたが、事前に時間をかけて作り方を調べました。 全てYouTubeの動画になりますが大変参考になりました。 これらの動画を見ると、きっと、作りたい!&作れるぞ!という気持ちになります。

つっぱり式二重窓のアイディア

私の家は賃貸ではありませんが、既存の窓枠にビスを打ちたくなかったので こちらの動画のつっぱり式を大変参考にさせていただきました。 私は次の動画で紹介されている方法で2×4材を用いたつっぱりを自作することにしました。

つっぱりの作成方法

つっぱりを2×4材とボルト、ナット、ワッシャーで自作する方法です。
とても参考になりました。

モールディングによる装飾

こちらの動画の二重窓は引き戸ではなく開き戸ですが、 モールディングの飾り加工を参考にさせてただきました。 おしゃれな窓なので作る意欲が高まりました。 モールディングが施された木材は市販もされているようですが、 トリマーに段付サジ面ビットを取り付けて野地板を削って自作することにしました。

框戸(かまちど)の縦框(たてがまち)と横框(よこがまち)の違いと必要な木材の太さ

この動画を参考にして戸を縦框の構造とし、 戸の枠済みの木材は30mm×40mmのものを使用することにしました。 40mmの面が部屋の内と外を向く組み方とすることで 木材と木材の接合部分にビスを2本ずつ打つのが容易になりました。

框戸にガラスを入れる方法

「周り縁(部屋側)」と「押さえ縁(外側)」でガラスを固定する方法です。 私の場合はガラスではなく断熱性が高い4mmの厚さの中空ポリカを使用、 周り縁(部屋側)のみモールディング加工を施しました。

引き違い戸の作り方

失敗しながら引き違い戸の構造を学ぶ動画です。窓と窓の隙間が空かないようにするポイントなどが分かるので必見です。

溝の深さ、幅、間隔、窓の上下の削り方の考え方を理解でき大変参考になりました。 今回作るのは箱よりも大きい建具ですので下記のようにアレンジしました。
・部屋側の溝を木の端から5mm→15mm
・2本の溝の幅は6mm→18.5mmに
(18mm幅の敷居スルスルテープを貼りました)
・溝と溝の間隔は3mm→12.5mmに

ダボを端材から自作する方法

私のインパクトはマキタの10.8Vのものでインパクトが掛かりやすいため 埋木(ダボ)作りに失敗することもありましたが、 こちらの動画を参考にしたら作ることができました。 その後卓上ボール盤に埋木錐を取り付けて量産しました。

木目を活かした塗装

私は亜麻仁油を使いました。

設計図を作る

万全を期して最初に設計図を作りました。 その上で組み立てながら実測値を測りつつ木材を切っていきますが、 設計図と実測値の誤差が発生した時に基準となるサイズを把握しておくと誤差の膨らみを防ぎやすいと感じます。

手書きでも問題ありませんが、私はAdobeのイラストレーター使用をしました。図形のサイズをセンチ、インチ単位で指定できたり(操作性の都合上1/10のサイズで作成)、図形を配置する際にぴったりくっつけたり間隔を指定できるなど利点があります。

全体構成

桟に取り付けるモールディングは省略しています。

木材の長さを計算

サイズの計算をExcelで行いました。
上の図のAとBのみ入力すれば他のサイズが求められるExcelファイルを作成したのでExcelをお持ちの方はお使いください。

レールと戸の詳細図

上下レール(1×4材で作成)の溝の幅は18.5mm、戸のレールに乗る部分が18mmなので遊びは0.5mmです。 この遊びが大き過ぎると戸と戸がぶつかってしまうので注意が必要です。

溝と溝の間隔は2枚の戸の隙間は最小0.5mm、最大1mmになるようにしています。 これが広すぎると断熱性が下がってしまいます。

戸を持ち上げてレールにはめるため上の溝は下の溝よりも深さが必要です。

制作

鴨居と敷居を作る

窓枠の上(鴨居)と下(敷居)の1×4(ワンバイフォー)材を切断し電動トリマーのストレートビットを使って溝を掘ります。

敷居の溝には18mm幅の「敷居スルスル」テープを貼ることを考えて18.5mmとしています。

下の写真は敷居で溝の深さは3mm、鴨居は溝の深さを10mmです。 戸をはめ込む際に戸を押し上げるため鴨居の深さに余裕が必要です。

←左:窓の外側 右→:部屋側  写真手前側の溝がない部分は2×4材で自作するつっぱり棒を立てるスペースになります。写真奥側も同様にスペースをあけておきます。

敷居の溝に幅18mmの「敷居スルスルテープ」を貼った状態です。

余談:写真をよく見ると分かりますが、下の溝から5mm下に細い線が入っています。これはなぜかというと、当初敷居の縁から15mmではなく5mmにところに溝を掘ったためです。敷居は溝が浅い(3mm)ので端から5mmのところに溝を彫っても問題なさそうですが、鴨居は溝が深い(10mm)ため強度に不安を感じたため反対側の縁から10mm分切り取ったものをボンドで接着し15mmに変更しました。

つっぱりを作る

2×4材、ボルト、ナット、ワッシャーを用いてつっぱりを作ります。 こちらの動画が大変参考になりました。

私の場合、自作した敷居と鴨居の上につっぱりを設置したためフェルトは使用しませんでした。

つっぱりの下の部分のスペースが空いてしまうので トリマーで加工した木材をはめこみ込み空気出入りを防ぎました。

隙間にはめ込むスペーサーがずれないように、つっぱり上側の木材の下の端を1cm程度削っています。

トリマーで加工したスペーサーをはめ込みます。

スペーサーをはめ込んだ状態です。隙間風が減り断熱性が高まります。

敷居、鴨居を左右のつっぱりで既存窓枠に固定した状態です。

つっぱりで固定された鴨居です。

縦框のサイズ確認

戸を組む前に縦長の材(縦框)のみをレールにはめ込んでみてサイズを確認すると良いと思います。 縦框のみ上下をトリマーで削る必要があるため面倒ではありますがやっておくと安心です。

私は縦框を間違えて数ミリ短く切ってしまったのですが、 つっぱりで支えられた鴨居の中央部分が数ミリ下に垂れ下がっているためか、少しだけ押し込むくらいの感じになり問題ありませんでした。 むしろちょうど良いくらいでしたので参考になさってください(前述のサイズ計算用エクセルにも反映済み)。

戸を組む

縦框のサイズを確認したら作業台の直角に合わせて木材を固定します。

接合部一箇所につきビスを2本打ちます。 穴の深さは下穴錐の先端が横框の木材を数ミリ削るくらいまでにしました。 下穴の深さを均一にするため下穴錐にマスキングテープを貼っています。

注意点としてレールにあわせて戸を削ることを考えてビスの位置を決めます。 写真では鉛筆で黒く塗っている箇所が後で削る部分になります。 特に上側は10mm削りますので注意が必要です。

写真を撮り忘れましたが、ビスで固定します。 ビスは4.2mm×65mmの木用コーススレッド(ステンレス、半ネジ)を使いました。

戸を削る

木材の厚さが30mm、レールに乗る部分の幅が18mmなので12mm削ります。 トリマーで削る際はトリマーへの負荷を考慮して深さ3mmずつ削りました。 戸の上と下とで削る量が違うので注意してください(下4mm、上10mm)。

削り終わりの部分に当て木するときれいに削れます。

2枚の戸をレールに嵌めてサイズを確認

レールに無理なくはまるか、中央部分の戸と戸の重なりの量が適切かを確認します。

中央部分で縦框がぴったり重なるのが理想ですが、 私の場合重なる部分が多すぎてしまい 横框(計6本)を少しだけ短く切りました。

2.5mmほど短く切った切れ端。 2.5の2倍(約5mm)戸が重なっていたため、 後ろ側の戸のモールディングが半分弱隠れてしまうのが悲しかったので調整することに。 私は2枚の戸のうち1枚は既にモールディングを接着済みだったため サイズ変更が少し大変でした。モールディングの取り付けは2枚の戸を レールにはめ込んでサイズに問題がないことを確認した後がおすすめです。

モールディング(周り縁)を作る

段付サジ面ビットを取り付けたトリマーで厚さ12mmの野地板を削り、 丸ノコで木の端から12mmのところを縦挽きして切り落として作成しました。

モールディングは販売もされているようですが、 私はトリマーはストレートビットしか使ったことが無く 今回は良い機会だったので段付サジ面ビットを購入し自作しました。

12mm角のモールディングを作成したのですが、 段付サジ面ビットは高儀の26mmのモノがちょうど良かったです(直径が26mmと思われる)。 軸径は6mmですので購入される場合はお手持ちのトリマーで使えるかどうかご確認ください。

ご参考:高儀 EARTH MAN 超硬トリマ・ルータービット 段付サジ面ビット26mm TRBP-22

またトリマーのビットは段付サジ面ビット以外もありますので 好みのデザインが削れるものを選んでください。 下記の動画ではビットの種類と削り方が紹介されています。

桟にモールディングを現物合わせしてサイズを確認し、45度にカットします。

モールディング(周り縁)を取り付ける

モールディングに木工用ボンドを塗り桟に接着します。

ボンドを接着面全体に薄めに塗りクランプで固定しました。

角の部分は45度と45度が合わさってこのような感じになります。

中空ポリカをはめ込む

窓の部屋側の全ての桟にモールディングを取り付けたら中空ポリカをはめ込みます。

中空ポリカは定規をあててカッターで切るのが正攻法のようですが、 ずれるのが怖いのでマジックで線を引いてから金切りばさみで切りました。 注意点として粉が中空部分の中に入ってしまうので鋸やヤスリは使ってはいけません。

写真は保護シートをはがす前に一旦組み込んでみたところです。 だいぶ雰囲気が出てきました。

押さえ縁で中空ポリカを固定する

戸の裏側(部屋の外側)から厚さ12mmの野字板を12幅に縦挽きし直角に切断したもの(押さえ縁)を 釘で取り付け中空ポリカが外れないように固定します。

部屋の内側にある2重窓ですし部屋の外側はバルコニーなので あまり見た目はこだわらず角材で良しとしました。 また押さえ縁をボンドで固定せず釘打ちしておくことで、 万一中空ポリカが汚れた場合などに新しいものに交換するのが簡単です。

ダボを自作する

戸を2枚組んでレールに嵌め込んでみてサイズに問題がなかったら埋木錐(うめききり)でダボを作り埋めます。

私はスターエムの埋木錐を卓上ボール盤に取り付けてダボを作成しました。 戸を作った際の端材からダボを作るので木目が揃い目立ちにくいダボを作ることができます。

なお埋木錐はドリルドライバーやインパクトドライバーでも使用可能ですが 14.4V以上のものが推奨されているようです。

特にインパクトドライバはインパクト(打撃)が起きないよう 最初だけ強め、その後は回転数を上げて軽めに当てると良いようです。 私も下記の動画を参考にして試しに10.8Vのインパクトドライバで埋木を数個作ってみたところ作成できましたが、 打撃が加わるとやはり失敗する確率が上がりました。 電圧が低いとインパクトが掛かりやすいため難易度が上がるようです。
下記の動画が参考になります。

戸のネジ頭を隠す

木目をできるだけ揃えて戸のネジ穴にダボを打ち込み、 アサリなしのノコギリで切断し紙やすりで整えます。

塗装

木目を活かすため亜麻仁油で塗装しました。 ウエスに塗料として販売されている亜麻仁油を染みこませて塗りました。

完成

ようやく完成しました。嬉しくて何度も眺めたり開け閉めしてしまいます。

雨水タンクの架台を作る

自然の恵みを大切に! 雨水タンクの架台を作る

自宅の玄関先に雨水タンクを設置しました。とても目立つ場所なので我が家のシンボル的になっています。雨水は家庭菜園の水やりに利用しています。

晴れの日が続く夏場やセルトレイやポットで野菜やハーブの苗作りをする時などは沢山の水が必要になりますし、雨水には水道水に含まれる塩素が入っていないので作物にも好ましいそうです。

天からの恵みである雨水を活用すれば家計の節約になるだけではなく、水不足の軽減や洪水防止など環境やコミュニティに優しい暮らしに繋がるとも言われており、設置の意義は大きいのではないでしょうか。実際に使ってみてどのように感じるか兼ねてより試してみたいと思っていました。

方針

玄関先に雨水タンクを設置するにあたって

  • 雨水タンクは転倒しにくいどっしりとした形のものを選ぶ
  • 玄関先だけにあまり無骨にならないようにするため雨水タンクの架台をDIYする

という2つを方針としました。

雨水タンクの購入

雨水タンク選びはかなり迷いましたが、架台の作り方を公開することも考えてよく普及しているらしい、コダマ樹脂の「ホームダムミニ」を選択しました。

個人的にはダムという言葉が気掛かりですが、個人個人が自宅にホームダムを持てば本物の大きなダムを減らせるかもしれませんね。

その他、商品選択時のポイントとしては、ご自宅の雨どいの形状と太さ、雨どいと壁や戸袋との距離を測って集水器が取り付けられるかどうかをよく確認しましょう。

雨水タンク

架台の設計図

雨水タンクの架台の設計図を作成しました。もしよろしければDIYしてみてください(クリックで拡大)。

雨水タンクの架台の設計図

仮組み

木取り図を参考にして木材を切り積み木のように組み立てました。ビス留めしていないため安定性の関係で天地が逆さまです。写真から構造がおわかりいただけますでしょうか。ポイントは脚の長さです。タンクの蛇口の下にジョウロが置けないと水やりができません。

仮組み①

仮組②

天板は1×4材、それ以外は2×4材で、110リットルの重さに耐えるようがっちりとした作りになっています(天板補強の材のうち真ん中のものは最終的に横向きに寝かせました、どちらでも良いと思いますが…)。

塗装

屋外に設置するので材木と材木の隙間もしっかりと塗装するため、仮組を終えたら一旦バラして水生の防腐塗料を塗りました。

塗装した木材

組み立て

2種類の長さのネジを使って組み立てました。ステンレス製など錆びにくいものが良いでしょう。

  • 短いネジ:太さ3.5mm×長さ35mm 木割れ防止ビス(若井産業)(ステンレスではないかもしれません、不明)
  • 長いネジ:太さ4.2mm×長さ65mm ステン木用ねじ コーススレッド(八幡ねじ)

丁寧に仕上げるためにドリルで下穴をあけてからネジ留めしましょう。特に2×4材を貫通する場合は厚みがあるので下穴は必須です。

天板は3mm厚のベニヤ板を挟んで均一の隙を空けてネジ留めしました。

スペーサーを噛ませて天板を取り付け

木材の腐食防止のため床下換気スペーサーを取り付け。

床下スペーサーの取り付け

玄関ドアを開けることを考慮すると架台が玄関の土台(?)からはみ出してしまうので「羽子板付き束石」で基礎を作ります。

設置スペースが足らない状態

地面を叩いて固めた上に小石を敷き、その上に束石を載せて水平を取ります。

水平機②

モルタル(インスタントセメント)を周囲に流し込んで固めます。できるだけセメントを使いたくないので最小限の利用に止めたつもりです。

羽子板と架台をネジで固定

集水器の取り付け

雨どいに集水器を取り付けます、取り付け位置をタンクの高さと揃える必要があります。位置を揃えないと満タンにならなかったり水が溢れたりしてしまいます。

また、ホームダムミニは雨どいの太さによって雨どいを切る位置が異なるため、説明書をよく読んでから雨どいを切断しましょう。

ホームダムミニの梱包に記載された「取り付け方」

雨水タンクの梱包に雨どいを切断する位置が詳しく記載されているので、マスキングテープを張りその内側を切断します。多少勇気が必要です。果たして雨水はちゃんと溜まるのか?

我が家の雨どいは直径75mmでした。
切断する位置に合わせて雨どいにマスキングテープを張ってノコギリで切断します。

雨どいをノコギリで切断

雨水タンクの設置完了

集水器の取り付けは切断した雨どいの上下に挟みこむだけなのでとても簡単でした。

雨水タンク設置完了

あとは雨が降るのを待つだけ…なかなか降らない…。

ついに雨が降りました!

雨が降りました

溜まりました。溢れず満タンです!

雨が降って満タン状態に

雨が上がった後、実際に雨水タンクの水を野菜に与えてみました。なんて心地が良いのでしょう~。

みなさまもぜひ体験してみてください。

ソーラーフードドライヤーを作る

野菜や果物を太陽の力で乾燥!ソーラーフードドライヤーを作る

太陽光を利用して野菜、果物、ハーブなどを乾燥させるソーラーフードドライヤーを自作しました。311以後さまざまな疑問を感じ、できることをしようと電力会社を変更したら思いのほか心地良く感じたり、理想的な未来を思い描きながらできることをしていこうということでソーラーフードドライヤーの制作を思い立ちました。

ソーラーフードドライヤーの特徴

  • 食料を短時間で乾燥でき食料の長期保存が可能に
  • 太陽の熱や沢山採れた野菜やハーブなど「身の周りに既にあるもの」を生かせる
  • 電気が不要でオフグリッド/脱システムの心地良さを感じられる

使用中のソーラーフードドライヤー

どんなものを乾燥?

様々なものを乾燥できます。実際に試したものをいくつかご紹介します。

キウイ

ソーラーフードドライヤーで乾燥させたキウイ

ダイコンは1日で切干大根になります

ソーラーフードドライヤーで乾燥させたダイコン

ウコンは乾燥して粉にしました。

ソーラーフードドライヤーで乾燥して作ったウコンパウダー

たけのこ。調理してシナチクのように使います。

ソーラーフードドライヤーで乾燥させたたけのこ

その他にもラベンダー、ネトルなどのハーブや花などをあまり変色させずに乾燥できたりと使い方は様々。色々なものを試してみると楽しいでしょう。

ソーラーフードドライヤーを作ってみた

ふたつのサイズを作りましたが、屋外への出し入れを考えると小型のものの方が使いやすく、肘を曲げて胸の高さに持ち上げて運べる重さです。以後ご紹介するのは小型のものの作り方や材料になります。

自作したサイズが異なる2つのソーラーフードドライヤー(斜めから)

自作したサイズが異なる2つのソーラーフードドライヤー(真横から)

基本構造

非電化工房さんのウェブサイト等で作り方を調べてみたところ、

  • 内部の温度を上げるために内部の底面/背面に断熱材(発泡スチロール)を敷きその上に平らな黒いトタン板を貼る
  • 湿気が抜けるよう吸気と排気の穴をあける
  • 透明の窓の素材は強度と耐候性がある透明のポリカーボネート製が良さそう

などの特徴を知ることができました。作成にあたってはこれらの特徴に加えて前面に大きな扉を設けて中身を出し入れしやすくしたいと考えました。

完成図

ソーラーフードドライヤーの完成図と木取り図です。450mm × 300mmのバーベキュー網を2枚格納できます。

ソーラーフードドライヤーの完成図

完成図のPDFデータはこちら

木取り図

ソーラーフードドライヤーの木取り図
2020/5/5訂正:実際に作っていただいた方よりご指摘があり、木取り図内の「側面上」2つおよび「側面中」2つの長さ表記(4箇所)を訂正しました(図も修正済み)。 誤:264mm → 正:254mm

木取り図のPDFデータはこちら

作り方

まず側面のパネルから作っていきます。

こちらが内側です(一部廃材を利用したため木取り図と異なっています)。

左側面の内側のパーツ

同じものをひっくり返した外側です。

この側面パネルが一番入り組んだ部分になりますので作り方を図解します。

①カットした12mm厚の杉板を3枚並べる。

②各部品の取り付け
特に水色の角材はどの面が杉板に接するのかをよく確認しながら取り付けます。

側面パネル内側の構造

③2つの部品が邪魔なので一旦外して杉板の反対側にピンク色の部品を取り付けます(図は杉板が透けている格好)。ネジは杉板の側(図の表面側)から打ちます。このピンクの部品は蝶番を取り付ける窓枠、持ち手、3枚の板をひとつに繋げる役割を担います。

側面外側の部品の取り付け

吸気口の穴空けはインパクトドライバーに22mmのホールソーを取り付けて行いました。

インパクトドライバーに取り付けた22mmのホールソー
12mm厚の板に穴を開けますが、このホールソーだと浅いためか(内側にバネが入っているのでその厚さも考える必要がある!)両側から強く押し込む必要がありました。より深さがあるホールソーの方が良さそうです。

完成した側面パネル

左右対称になるようにもう片方の側面も同じように作成し、前面、背面、杉板を取り付けたら、スムーズに網を載せたり下ろしたりできるかどうか確認します。

網を載せて歪みを確認
左右の杉板と杉板の間隔は網の幅+1cm(左右5mmずつ)で設計

ひっくり返して底を取り付けます。
このタイミングで防腐剤を塗っても良いと思います。

底面を取り付け

背面の板の上部に排気の穴を開けます。穴の中心点は背面板の上辺から30mm下がったあたり。 次の写真では穴がひとつしか見えませんが、向かって左側にも開けます。木屑が溜まってしまうので穴を開けるのは底を付ける前の方がよかったかもしれません。

断熱材とトタン板が取り付けやすいように一旦内側の部品を外したところ

断熱材の発泡スチロールは定規を当てながらカッターナイフを使って必要なサイズにカットし骨組の間にはめ込みます。

背面の骨組みの間に嵌め込んだ断熱材

底面にも断熱材を嵌め込みます

底面に嵌め込んだ断熱材

トタンを必要なサイズに切る際はケガキ針で跡を付けて、

金切りバサミでカット。

金切りバサミでトタンを必要な大きさにカット

あらかじめトタンに穴を開け、

c

ネジで取り付けます。

本体にトタン板を取り付け

写真がありませんが底にも同様にトタン取り付け、その後天井を取り付けます。

完成図を参考にして窓枠を作り蝶番を取り付けます。蝶番の厚みの分だけ本体側と扉側を削ります。SPF材は柔らかいのでカッターで削ることができました。

蝶番と反対側には同じ要領でマグネットキャッチを取り付けます。

写真を省略しましたが、0.7mmの厚みのポリカシートは保護シートの上から油性マジックで線を引き金切りバサミでカットし切断面を紙やすりで整えました。

ネジ留めの際はポリカシートにはドリルで穴を開け、扉側にはキリで下穴を開けてネジ止めしました。

ポリカーボネート板にドリルで下穴を開ける

キリで木材に下穴を開ける。
キリで下穴を開けてネジで留めます。 1×1材と1×2材を留めているネジにぶつからないよう注意!

完成です!

材料

  • 杉板(12mm厚 86mm × 1,820mm)
    コーナンで5枚束798円のものを購入。そのうち1枚と少しを使用。余るので無駄を出したくない方はカットサービス等を利用して↓の180mm幅の板をカットした方が無駄がないと思います(私は余りをいつか使うため氣にせず)。
  • 杉板(12mm厚 180mm × 1,820mm)
    コーナンで5枚束1,180円のものを購入。そのうち2枚を使用。
  • 赤松KD三面クリア材(19mm × 28mm × 985mm) 228円・・・3本
  • SPF 1×2材(ワンバイツー材)(19mm × 38mm × 914mm)198円・・・3本
  • SPF 1×1材(ワンバイワン材)(19mm × 19mm × 914mm)98円・・・4本
  • 発泡スチロール(2cm厚)
    例)コーナンで 910mm ×1820mmくらいのものを558円で購入。かなり余るのでちょうど良いサイズのものをお求めください。
  • トタン平板
    温度を上げるため黒または色が濃いもの
    例)光 カラートタン板 ブラウン HT270-2 999円(モノタロウ)
    https://www.monotaro.com/g/03398043/
  • 蝶番
    折りたたんだ状態の短い辺が17mm程度のもの
    例)ハイロジック P-614 369円(モノタロウ)
    https://www.monotaro.com/p/5887/0515/
    蝶番蝶番のサイズ
  • 透明のポリカーボネート板
    例)IRIS ポリカシート HIPC-607(0.7mm厚 910mm × 1,820mm)
    コーナン大船店(大型店舗)で実際に2,280円で購入。同じコーナンでも小さめの店舗にはありませんでした。しかし大きいのでかなり余ります。
  • 木材用のビス・・・長さが35mmと25mmのもの
    例)
    若井産業 木割れ防止ビスKW-35V M3.8、長さ35mm 589円 (モノタロウ)
    https://www.monotaro.com/p/1985/2858/
    若井産業 木割れ防止ビスKW-25V M3.8、長さ25mm 589円(モノタロウ)
    https://www.monotaro.com/p/1985/2833/
    若井産業 木割れ防止ビス
  • ポリカボネートの板を固定するネジ以前100円ショップのセリアで購入した10mmくらいのものを4本~6本・・・100円
  • マグネットキャッチ
    例)【6ペア入り】Atpwonz マグネットキャッチ 超薄型 1,260円(Amazon)・・・1つだけ使用
    https://www.amazon.co.jp/gp/product/B082X5FZSJ/マグネキャッチ
  • 450mm × 300mmのバーベキュー網
    例)グレービーバーベキューアミ 6号 M-6596(450 × 300mm) 525円(Amazon)・・・2枚
    https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000GADFQ0/
  • 水性木材保護塗料 とうめい 0.7L 1,280円