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玄関先に畑を
自宅の玄関から出てすぐの場所に畑を作りました。レタスなど収穫して生のまますぐに食べられるサラダ野菜を育てるには最適です。
数年前に作ったこの畑は、永続的で循環可能な生活をデザインする「パーマカルチャー」の考え方を取り入れた「スクエア菜園」です。
スクエア菜園とは、多品種の野菜を育てる約1m四方の小さな菜園で、パーマカルチャーの原則のうち、次の3つが取り入れられています。
①多様性…多品種かつ相性の良いコンパニオンプランツを植える
②小規模集約…畑の面積は約1メートル四方
③つながりの良い配置…住居となる家屋からすぐにアクセスできる場所
菜園作りにあたっては「パーマカルチャー菜園入門」という本を参考にしました。イラストが多用されていて、とても分かりやすい本です。
場所を決める
玄関先にちょうど良いスペースがありましたので、そこに菜園を作ることにしました。サイズは縦、横ともに90cmの正方形です。
手始めにメジャーで広さを測り、シャベルなどで地面に跡をつければ良いと思います。
写真ではホームセンターで購入したレンガを並べて目安をつけていますが、レンガは必須ではありません。
穴を掘る
中古で購入した自宅の庭には芝生が植わっていましたので、シャベルで剥がしました。
少し覚悟が必要でしたが、今となっては芝生の庭を見かける度に「剥がして野菜を植えたら良いのに」と思うようになりました。
写真は芝生を剥がしてさらに60cm程度土を掘った状態です。ダイコンを作る際60cmくらいは耕すと良いと聞いていたからです。
9等分に区切る
狭い場所で多品種の野菜を育てられるよう、3×3のマス目状に9つの区画を壁で仕切って作ります。そうすることによって野菜の根が絡むことを防ぎます。
区画の仕切りには芝生の根止めを活用しました(ひとつ前の写真の手前に写っている黒い物体です)。
プラスチック製なので少し氣が引けましたが、木製だと腐食してしまうので割り切ってこちらを選択しました。それを決心するまでかなりの期間悩みました。
こちらの根止めを2段重ねて埋設しました。根止めは2セット購入したら足りました。
まず、根止めを2段重ねにすることを想定して少し土を戻した後に、下の写真のように根止めを連結して埋め込みます。
水平に根止めを埋めるため、ゴムのハンマーで根止めを打ち込みながら調節します。
1段目の根止めをすべて組んだら、1段目の高さまで土を戻します。
できるだけ石を取り除きつつ、肥やしになるよう腐葉土や落ち葉も混ぜ込みました。
この後さらに同じ形に2段目の根止めを組んで土を入れていきます。
畑の完成と作付け
元々の地面の高さまで土を戻せば完成です。早速野菜を植えましょう!
この菜園ができたのは秋野菜の植えどき、蒔きどきの時期でした。
一番おすすめのリーフレタス。採れたてを生のまますぐに食べられるのは玄関先の畑ならでは醍醐味です。
オリーブオイルや亜麻仁油、塩胡椒をかけていただきます。
コンパニオンプランツのイチゴとニンニクを同じ区画に植えました。単なる野菜作りではなく、生態系を作っている感覚が伴います。
タネから育てる小松菜と水菜。
アスパラとイタリアンパセリは苗から。アスパラは10年間くらい収穫できるそうです。
水菜とオンブバッタ。住宅街でも虫たちはどこからともなくやってきます。
虫たちも、それまで氣づかずにいた生態系の存在を教えてくれます。
カマキリもトカゲもヒラタアブも珍しい蝶もやってきます。
成長した野菜の様子
このような小さな畑で野菜が育つのか疑問を持たれるかもしれませんので、実際の様子を一部ご紹介します。
ダイコンは30cm四方の1つの区画内で間引きながら育てました。最終的には5本の大き目なダイコンを収穫できました。
コールラビは1区画で2株。葉が横に広がるので控えめにしました。同じ区画にはコンパニオンプランツのリーフレタスを植えました。
リーフレタスは外側の葉っぱから少しずつ収穫して花が咲いた後、綿毛がついたタネが採れます。
レタスの綿毛。トウ立ちして高いところからタネを飛ばす成長過程には生命の神秘を感じます。野菜の一生を観察できるのも家庭菜園の醍醐味ですね。
イタリアンパセリです。育ちすぎて収穫が追い付きません。一緒に植えたアスパラガスを駆逐する勢いでしたが、冬には枯れて翌年からはアスパラガスの独壇場となりました。
アスパラは苗を植えてから収穫までに2年かかりましたが、一度植えたら10年収穫できるそうです。この写真は一度に沢山採れた時。通常は一日に一本か二本ずつ、毎年数ヵ月間次々と収穫できます。
中央の区画に植えたアスパラが大きく育ちました。背が高く北側が影になるので一番北側の区画に植えるべきだったかもしれません。
大きくなったアスパラ。光合成して養分を蓄え次のシーズンに備えます。
葉ネギは色々な料理に使えて便利です。分けつで増え長く楽しめます。
小松菜はリーフレタス同様、外側の葉っぱから少しずつ収穫すれば数ヵ月楽しめます。一株残して大株に成長させ、タネを採るのも楽しいです。
イチゴもできました。
小ぶりですがニンニク。
冬の防寒対策
冬はビニールを掛けています。
ちょうど良いサイズの農ビニールはオービロンという商品で支柱に沿う方向が約180cm。
アーチの骨組みはダイソーのトンネル支柱の一番大きなもの買い、手で曲率を変形させました。
ダイソーの骨組みにぴったりサイズのオレンジ色の「トンネルパッカー(シャクトリ虫」はビニールの固定や寒暖に合わせた開閉に便利です。
まとめ
この記事がおいしい野菜をご自身の手で作るきっかけになれば幸いです。その点を意識して、よく育った野菜の写真を多く載せました。
さらに可能であれば、野菜の一生を観察するつもりでF1種ではないタネを蒔いてタネ採りまで行ない、野菜が自然の循環の中で産み出されることを感じていただけるとさらに嬉しいです。
循環を感じる行為はお金には代え難いです。単なる消費者にとどまらずに生きるための活動をすることが人間にとっての本来的な喜びであり、幸福に繋がるのではないでしょうか。
また、世の中には刺激の強いモノが多く、ついそちらに意識を奪われがちになります。だからこそ敢えて自然を感じながら体を使って生活を営むことが大切なのではないでしょうか。
そのような営みが、奪い合い生き方から生かし合いの生き方にシフトするきっかけになると思えてなりません。
大変参考になります。ありがとうございます。
福島由美様
コメントをいただき、ありがとうございます。
ぜひ参考にしていただいて、菜園を楽しんでいただけたらと思います。