スペルト小麦の栽培と種のシェア

野菜や農作物を取り巻く現状

昨今、スーパーなどで出回る野菜は人工的に交配されたF1種が多く、発芽率が良く生育のバラツキが少ないものの、次世代の種が上手に育たないものが多いそうです。また農薬への耐性がある遺伝子を持つなどの理由で全く異なる生物の遺伝子を組み込んだ「遺伝子組み換え作物」の種子が流通し、食の安全への不安が語られることも多くなっているように思います。

スペルト小麦の種子をいただく

そのような問題を感じる中で、家庭菜園で野菜の種を採り、その種をまた畑にまくという行為の循環の尊さを実感していたところ、かつて職場でご一緒させていただいた福原さん(旧姓、今でもそう呼ばせていただいています)からスペルト小麦の種を譲っていただきました。

スペルト小麦は9,000年以上昔から人工的な品種改良がされておらず、食べてもアレルギーになりくいそうです。また通常の小麦と較べてもみ殻が固く脱穀が難しいとのこと。古代小麦などとも呼ばれ風格漂う貴重な作物。そんな印象のスペルト小麦を自宅の庭で育てる機会に恵まれました。

栽培の記録

①種蒔き

福原さんから頂いたスペルト小麦がこちらです。元々別の方から譲られたものだそうですが、今は子育て中のため私が代わりに栽培するという大役を担うことになりました。とても楽しみ。

「規格外プレゼント」なのだそうです。幸運…
50粒くらいありそうです

2017年11月12日、庭の中で一番日当たりが良くかつコンポストを設置した真横の1メートル四方もないスペースに3本の筋蒔きで種を蒔きました。この場所には色々な作物を植えましたが、コンポストから液肥として養分が出て周囲の土に浸透しているようで、作物の生育が比較的良い場所です。

②発芽

発芽は11月24日頃でした。種まきの約12日後ということになります。芽はこのような形でイネ科ということもあり細長い形が特徴的です。雑草などと間違えて抜いてしまいませんように。

③麦踏み

写真は2018年2月24日頃の様子です。少し前に麦踏みをしたとの記録が残っていました。靴を履いたまま体重をかけてやさしめに踏みました。麦の栽培といえば麦踏みの工程があることを知ってはいたものの今回のスペルト小麦が初めての麦踏みとなりました。

麦踏みを行う理由ですが、踏むことによって茎の分けつが増え収穫量が増えるためとされています。注意点としては写真のように葉が地面に貼りついた状態の時に麦踏みを行う必要があり、暖かくなって茎が立ち上がってから踏むと茎が傷んでしまいます。踏まないと育たない訳ではないので、麦踏みのタイミングを逃して茎が立ち上がってしまった場合はそのまま育てましょう。

④穂を見て感動~枯れたら収穫

麦踏みの後はこれといってやることはありません。
5月上旬頃になると穂がひとつ、ふたつ、と出てきました。

5月16日(下の写真)。沢山の穂を見て感動します。

下の写真は6月22日。晴れが続いて穂が乾いている時に、枯れて黄色くなってきた穂から順に刈り取りました。

なお、脱穀機を使う予定の場合は穂の部分だけではなく、茎の部分を残した方が脱穀機にかけやすいようです。ただし、もみ殻が固いスペルト小麦に脱穀機が有効であればの話です。これはまだ未経験なのでなんとも言えません。

⑤脱穀

脱穀機のあてがないため手で一粒ずつ脱穀してみました。分厚いもみ殻が種を覆っており沢山脱穀するにはかなりの労力が必要です。また食べるためならば脱穀が必要ですが、次回の栽培で蒔くための種であれば脱穀は必須ではないと思われます。

まとめ

種をいただけたことでスペルト小麦の貴重な栽培体験をすることができました。採れた種は畑に蒔き、また10名くらいの方々にも貰っていただくことができ、種をリレーする喜びを感じることもできました。

作物の種で人々が繋がるというのは昔の人間の営みではよくあることだっただろうと思います。大事なことを少し思い出せたような氣がして、本来的な豊かさとはこういうことかもしれないな、と感じることができました。

2 Replies to “スペルト小麦の栽培と種のシェア”

  1. 写真と詳細なコメントでわかりやすい記録ですね。
    今年、我家の庭で稲を育てました。バケツやプランター、掘った水路の地面に直接植えた苗もありました。11/18に脱穀しました。お米1合くらいの量です。天日干し一か月の間、すずめ食堂の場になっていたので減ってしまいました。
    今も自然農のやり方で、カブや小松菜、ほうれん草が育っている我家の庭です。身近な場で野菜を育てる楽しさを知ると同時に、地球に寄り添うことの大切さを感じています。

  2. やまがみえみこさん
    コメントありがとうございます。お庭で稲作も良いですね。私は稲作は未経験なんです。やってみたいなぁ。
    収穫の量よりも自分の住まいのすぐ近くで育ててみることに大切さを感じています。それは恐らく自然のデザインに自分自身が加わる感覚を思い出せるからだと思います。
    稲作と自然の野菜作り、これからも楽しんでくださいね。

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